Q&A
原作者・紫大悟 Q&A
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#01Q:ファミリアの値段っていくらくらい?A:一般人が使うような機体は、現代のスマホくらいの感覚です。高性能なものになると、桁が一つ違ってきたりします。
高橋はガジェットマニアでもあるので新型の高級品、マキナが使っているのは高橋のお古を譲り受けたものらしいです(けっこう性能がいい)。
グラムのファミリアは傭兵をやっていた時に支給された軍用の型落ち品で、最低限必要の機能しか備わっていませんが、魔法戦や霊竄戦に限っては高性能です。
ちなみに、IHMI以外からもファミリアは発売されています。ただ、魔法補助等の根幹となる術式はIHMIがライセンスを持っています。
初めてファミリアをつける際には、脊髄と疑似神経を接続するナーブコネクターの手術代や、コネクターを保護するプロテクトカバー代が入るので、もうちょっとお金がかかります。契約プランに手術代も盛り込まれていそうですが。 -
#02Q:親切なおじさんが履歴書を持っていたけど、まだ紙の履歴書が使われているの?A:統合暦2099年は、異なる世界同士の融合による大幅な環境の変化によって、六度目の大量絶滅が起こったとも言われる時代です。
しかし、日本人の精神たる暖かみを感じる手書きの履歴書と、ハガキを返送する際に『行』を『御中』に直すマナーは、滅びることなく伝わっているようです。 -
#03Q:きつねうどんに載っている謎の青い物体の正体は?A:『メルニウス』と呼ばれる、アルネス由来の加工食品です。
我々が見れば面食らいますが、麺食らう分には問題ありませんし、統合暦2099年の世界では「きつねうどんにはお揚げとメルニウスだろ!」というくらい浸透しています。
おそらく、戦中世代の人たちは「このビビッドな色がいいんだよな!」とか言ってるんじゃないかと思います。 -
#04Q:第四世代型マギノ・ギアは《灰明》(アッシュ・ドーン)とのことですが、それ以前の機体について教えてほしいです。A:IHMI製第一世代型《赤走》(レッドラン)
IHMI製第二世代型《超藍》(メタインディゴ)
IHMI製第三世代型《銀境》(シルバーホライゾン)
と呼ばれる機体が存在していました。
IHMI製第五世代型試作機の《白霞》(ゼロベース)は、元々《白霞》(ホワイトヘイズ)という名称だったのですが、社長秘書兼MGテスターの木ノ原によって、勝手に呼び名を変えられてしまったという経緯があります。 -
#05Q:マキナのファミリアはスタンドアローン状態だったのに、なぜマルキュスはそれを強制停止できたのでしょうか。A:ファミリアの基本となるシステムは様々な魔法の集合体であり、エーテルネットワークへの接続も『エーテルネットワークという大魔法に接続する魔法』によってなされています。その上で、今回のマキナは『魔法はエーテルによって干渉できる』という、魔法に備わる共通の脆弱性を突かれた形になります。
ファミリア側がネットワークとの接続を切っていたとしても、大気中のエーテルとファミリアは物理的に触れ合っているので、マルキュスはネットワークに接続されていないマキナのファミリアにも、強制的に干渉することができました。
とはいえ、このずるっこはファミリアを開発した張本人であるマルキュスだけの特権であり、意図的にこういった仕様にしていたのではないかと思われます。 -
#06Q:イクサソルデはなんで喋るの?A:かっこいいからです。
嘘です。鍛冶神によって造られ、禍福の女神・メルディアへと渡ったイクサソルデには、元々、聖剣の制御機構としての『精霊』が備わっていましたが、それが長い年月をかけて自然発生的に、自律思考と同時に自我を獲得しました。
鍛冶神からメルディアへと渡った時点で、女神の神性に触れたためにその気質がイクサソルデにうっすらと移ったようで、多少嫉妬深い面があるようです。 -
#07Q:ベルトールが第二形態になった時に、高橋がハッキングした範囲はどれくらい?A:新宿市内の耐寒領域結界内=新宿市全域です。
シティネットと呼ばれる都市のローカルネットワークに接続されているIHMI製のホログラム・ディスプレイがハッキングの対象となりました(耐寒領域結界の範囲とシティネットの範囲はほぼ同じです)。
高橋はまず高所に陣取り、視界内の大型ホログラム・ディスプレイを複数ハッキング、それを踏み台にして、シティネット経由で大小を問わずホログラム・ディスプレイに干渉していったという寸法です。
この大規模ハッキング事件は、大ニュースとして世界中を一瞬で駆け巡り、画面に映っているベルトールに一瞬なりとも様々な感情が重なった結果、ベルトールは第二形態に移行できるほどの信仰力を獲得できました。 -
#08Q:秋葉原市について教えて!A:統合暦2099年に存在している秋葉原市は、西暦2024年現在の東京都千代田区にある秋葉原とは地理的にけっこう離れた場所にあります。
秋葉原市は、新宿市の北東に位置する衛星都市です。都市戦争の影響で難民となった者たちが『ル・クセル』(現在の秋葉原市の魔法街)へと移り住んだ結果、違法に形成された難民街が大きく発展し、現在の秋葉原市の電気街が誕生したと言われています。
後に、電気街がさらに大きくなり『ル・クセル』(魔法街)とのパワーバランスが逆転。その結果『ル・クセル』は電気街に合併される形となり、現在の電気街と魔法街の二つの側面を持つ都市・秋葉原市へと名前を変えた経緯があります。
そんな歴史があるので、古い風習が残る魔法街と、今の秋葉原市を生み出した自負のある電気街の住民間には、強い対立感情があります。 -
#09Q:統合暦2099年の電気街にオタク文化が蔓延ってるのはなぜ?A:電気街ができた当初、魔法街では違法となるポップカルチャーが電気街でアングラ的な発展を果たし、後のエーテルネットワークの発達に伴って、先祖返り的に旧時代のオタク文化がリバイバルブームとなっているようです。
その際に情報の変質が発生し、メイド喫茶などでも「これが正しい伝統的なメイドさんの姿である!」と叫ばれるようになったとかならないとか。 -
#10Q:ベルトールたちが食べていた培養肉について教えてよ!A:培養肉の製造は食糧不足問題を解決する手段の一つとして着目されており、現想融合後に世界の環境が激変していく中、アース側の主導で研究が進められていました。しかし培養肉の製造には現代の魔法学における禁忌の一つである『ホムンクルス』の製造にも絡んだ技術が使われており、それは(主にエルフ種の)宗教上の理由で多くの都市で研究自体が禁止されている技術でした。
この世界で共通語とされる言語が『エルフ語』由来である事からも、この時代においてエルフという種族の社会的地位が非常に高く、彼らによって多くのルールが制定されていることが分かります。
ただ秋葉原の電気街には、その特異な成り立ちから、都市法の空白地帯、いわば“抜け穴”が存在しており、その抜け穴を使って培養肉を製造する事で、安定した食糧供給と観光資源化を実現、電気街をより豊かにさせる事に成功しました。
この培養肉事業に真っ先に着手したのが、現在の電気街の当主であるゴブリンのコルネア=セブルドでした。昔ひもじい思いをしていたコルネアには、多くのヒトを腹一杯にさせたいという野望があったようです。
ただこの事業は、電気街と魔法街の対立を深める結果にもなりました。 -
#11Q:結局、マグ(フェイスレス)って何がしたかったの?A:実はマグ学師=フェイスレスではなく、本物のマグ学師はかつて幼い緋月と彼女の両親が襲撃されたのと近い時期にフェイスレスによって殺害されており、全機身(フルボーグ)だった本物のマグは、その機械の身体をフェイスレスに乗っ取られ、それ以来フェイスレスはずっとマグ学師になりすましてレガリアを手に入れる計画を進めていました。
フェイスレスは『神秘』の蒐集を組織から任務として請け負っており、女神・メルディアの分霊という最上級の神秘であるレガリアを狙っていたところ、女神自身がまだ姿を変えて残っている事が判明。女神そのものを捕獲する事に計画を変更しました。その後、フェイスレスは周到に計画を練っていたのですが、そこにイレギュラーが発生します。それがベルトールたちです。
組織の情報で、ベルトールが復活し、マルキュスが敗れたことは認識していましたが、フェイスレスにとって彼らが留学してきたのは想定外で、さらに彼らの狙いがレガリアだったという事もフェイスレスにとって不運でした。トラート理事長との面接中は内心穏やかではなかったでしょう。
既に計画は長期化しており、次の機会が来るまで延期や変更をする事ができない状態でした。自ら出張って交渉までしたのですが、結局のところ交渉は決裂。強引に捕獲を試みますが、ベルトールが間に合ってしまったので、フェイスレスは顕現した女神を魔王にぶつけ、脅威を排除した後に女神を捕獲しようと土壇場で計画を変更します。
もしベルトールたちが留学してこなければ、つつがなく女神を捕獲できたでしょうが、そもそも彼らが留学してきた事自体が、幸運と不運を司る女神・メルディアの神威による運命の操作だったのかもしれません。 -
#12Q:秋葉原市はあの後どうなったの?A:トラートとコルネアという秋葉原市の有力者二人が死亡し、正式に王権が秋葉原市の評議会へと移譲されましたが、当然、秋葉原市は暫く混乱状態に陥りました。幸いにも内戦は回避されましたが、都市内の軋轢が解消されたわけではありません。
しかしこの機会に秋葉原市を一つに纏めようという動きも一部で強くなり、いけすかない貴族のボンボンであったアルバート=ヘイグラムス君も、コルネア=セブルドの側近であったメラル氏と協力し、電気街と魔法街を繋げるために学生の身でありながら尽力しているみたいです。アルバート君は今回の事件をきっかけにヒトの上に立つ指導者としての才能が開花したようで、将来的に大物になる予感がします。何かあれば大統領くらいにはなれそうです。
余談ですが、衆人環視の前にその身を晒した緋月の姿はネット中継などにばっちり映っており、一時期ネットミームになったようです。
ベルトールの姿も映っており、その後の配信でその事について質問攻めに合い、コメント欄が荒れましたが、その話題には一切触れずに完全に無視を決め込んで長時間のゲーム配信を敢行したおかげですぐに鎮火し、ゴシップ好きとにわかファンの間だけで炎上した程度に留まりました。